<厚労省>医師の地域偏在是正に 医師不足把握に新指標

 

厚生労働省は医師の地域偏在の是正を目的に、地域ごとに医師がどの程度足りないかを示す新たな指標を導入する方針を固めました。

 

今後は、そのデータを基に、医師派遣に関する都道府県の権限を強めるなどして平準化を図る方針です。
有識者検討会で年内に対策を取りまとめ、来年の通常国会に医療法の改正案を提出する方針となっています。

 

 これまで医師の偏在は、人口10万人当たりの医師数で議論されており、従来の国の調査では、最多の京都府が308人であるのに対し、最少となる埼玉県は153人とこの地域間で2倍の差が出ています。

 

しかし単純に人口10万人に対する医師数のみで判断することは難しく、例えば人口10万人で最小となる埼玉県は医師がいないわけではなく、東京などに通勤している医師が多いなどの理由で潜在的に医師数は多かったり、また地域ごとに医療ニーズも異なるため、一概に人口10万人に対する医師数だけでは比較できないとも指摘もありました。

 

平成26年(2014)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況

 

 

 これを受け、厚労省は住民の年齢分布、近隣の医療圏への行きやすさといった地域ごとに異なる地理的条件も加味し、実態に沿ったデータを作ることにしています。

 

全国を約340地域に分けた2次医療圏ごとに医師の不足度合いを算出し、対策のベースとする方針です。

 

 

今後、都道府県の権限が強まる

 

 今回の改正案が国会を通ると、今後不足する地域での医師確保のために、都道府県の権限が強くなります。

 

多くの大学医学部には、一定期間の地元勤務を条件に奨学金返済を免除する「地域枠」がありますが、都道府県が不足地域での医師確保のために定員増などを大学に要請できるようになります。

 

また地域枠の卒業生を医師不足地域に派遣したり、病院ごとの臨床研修の定員を調整したりする機能も持たせる方針です。

 

そして若手の臨床医だけでなく、キャリアを積んだ医師に対しても地域医療の核となる病院の院長になるためには、要件として、医師不足地域での勤務経験を加える方針となっています。

 

 

さらに、今回の検討会では医師の地域間での偏在格差を抑えるだけでなく、診療科の偏在改善についても議論が行われています。

 

この20年間で麻酔科や放射線科、精神科の医師は6〜8割程度増えたが、一方、外科医や産婦人科医は増えていません。労働環境や訴訟等のリスク等から敬遠されていることも想像つきますが、こういった人気がない診療科についも、厚労省は診療科ごとの各都道府県の需要を予測し、必要な専門医数の目安を示して勤務先を誘導するとしています。

 

来年度導入される新専門医制度では、日本専門医機構が都道府県と調整することを法律に明記し、研修病院が都市部や大学病院に偏らないようにする方針です。

 

 

実際に、平成29年度医師臨床研修マッチング結果では、大都市部のある6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除く道県における内定者の割合が58.9%(昨年度58.3%)と、平成16年度の新制度導入以降、過去最大となっています。

 

 

 

さらに、大学の医学部定員については、文部科学省が10月16日、2018年度の国公私立大学の医学部入学定員を、2017年度から1人減の9419人とする計画を公表しています。

 

厚生労働省は、40年には人口減などで医師が1万8000人程度余ると試算していますが、医師不足の地域偏在解消のために、「地域枠」として2019年度までの2年間増員を可能としています。<文部科学省ホームページ>

 

 

こういった地域間の医師偏在解消のための動きは、今後も長期にわたって継続されていくでしょう。今後、どこで働くもしくは暮らすか。そしてどの診療科で医師として働いていくかは国の意向も大きく影響してくることになりそうです。

 

 

例えば今は都市圏で勤務し、先々で地元である地方に戻ろうと考えている医師であれば、今は地方での採用ニーズが非常に高くても、今後偏在の調整により、ニーズが小さくなっていくことだってあり得るわけです。

 

数年後に職場を移ることや開業を考えていくのであれば、こまめな情報収集はもちろんのこと、早めに転職活動を始めておくことも必要になってくるでしょう。

 

だからこそ、今すぐでなくても今後転職を考えていくのであれば、医師専門のエージェントに早めに相談しておくことも、今後のキャリア形成にとって大切なこととなりそうです。

 

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