オンライン面談で伝わることは一部
新型コロナウイルスは世の中のビジネスモデルを大きく変化させました。
特に感染が広がりを見せた2020年に入ってからは、感染防止、クラスターの発生を防ぐのために会社員は通勤、学生は通学を辞めさせ、自宅で仕事や勉強が出来るようオンラインでのスタイルが一気に普及した年でもあります。
これは医療の世界でも広がりを見せており、オンライン診療も今後一気に広がりを見せていくことでしょう。
また人材採用の場面でもオンライン面談が広がりを見せています。従来であれば、転職の際は転職先の医療機関を訪れ、見学したり面接を行ったりというのが、部外者を院内にむやみに入れるわけにもいかず、やむを得ずオンラインでの面接を行うところも出てきています。
確かにオンライン面談であれば、遠方であっても自宅で相手と話すこともできます。移動にかかる費用や時間も考える必要はありません。また医師専門の転職サイトに登録し、エージェントと面談するとなった際も同様です。
こう考えるとメリットもあるわけですが、とは言っても、やはり画面越しです。
いくら画面越しにリアルタイムに話すことが出来たとしても、実際に自分自身で面接にいたりするのと比べると、どういったスタッフがいるのか、その職場の環境や雰囲気、また医療機関であれば、周りがどういった街並みなのか、街の環境はどうなっているのかなど、自分でて感じることは出来ません。
ここがオンライン面談のデメリットでもあります。
新型コロナウイルスが広がりを見せた4〜6月期あたりは、転職を考える医師、また採用を考える医療機関ともに感染リスクを考慮し、お互いが動きを取らない状況が見られました。しかし、最近では4〜6月期と比べると、病院経営の悪化に伴い、転職活動を始める医師も増え始めています。(参照:新型コロナで医師の転職条件が変わってきた)
採用を行う医療機関側も、緊急事態宣言が出ていない地域では、対面での面接を実施する所も出てきています。オンラインか対面かは居住地や医療機関の所在地にもよるため、一概に言えないものの、依然と比べオンラインでの面談や面接が増えていることは確かです。
しかし先ほども述べた通り、仕事に限らず生活の面での環境的なこと、また雰囲気等は実際に自分で感じるしかありません。
こういった状況で、今後どのような転職活動を進めていくべきか。
ちなみに40代以上でキャリアや実績を持ち、以前であれば、転職サイトを使ったりせずとも個別に声がかかったりして転職できていた医師は、新型コロナウイルス感染が広がる中、転職サイトに登録する動きが目立つようになりました。
そして医療機関からも積極的に採用されていたこの年代の医師が転職サイトに登録するようになって、どのように転職活動を進めているかというと、オンラインをあまり使わず、積極的に自分から動く傾向が見られます。
やはりオンラインは便利ではあるものの、現時点では限界というものも感じているのでしょう。実際に自分の感覚、実感を重視する医師が多いのです。
これは転職エージェントとの面談においても同様で、オンラインで済ませることもあるようですが、真剣に転職を考える医師程、エージェントとの対面での面談を希望する傾向があるようです。
エージェント側にとっても画面越しに医師と面談するより、実際に会って要望を聞き、また現状について説明する方が医師の人間性や雰囲気が分かるため、医療機関へのアピールがしやすいようです。
以前は転職を考える際に、短期でアルバイトとして勤務しながら、転職先の雰囲気を感じつつ転職を検討することもできましたが、今はそれも難しくなっています。感染リスクや感染防止対策を考える必要もありますが、そういった状況だからこそ、オンラインよりも対面を重視することも必要なのかもしれません。
オンラインで転職活動を進めたほうが良いケース
・すぐにではなく、1〜2年先で考える場合
・関東関西など緊急事態宣言が出ている地域を転職先に検討している場合
・緊急事態宣言が出ている地域から、宣言外の地域での勤務を検討している場合
対面での活動を進めたほうが良いケース
・少しでも早く転職を行いたい
・転職は先だが、良い求人があれば直ぐにでも転職したい
・エージェントを通して医療機関に自分自身を売り込みたい